![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/c/c/600mw/img_ccf35305345a119745cbd30e341d5c901044331.jpg)
故郷を遠く離れ、国を背負って、異国の地で闘うということはどんな競技であれ、大変なプレッシャーであり、名誉なことだろう。
現在、サッカーのワールドカップ(W杯)カタール大会がまさに開催中。というわけで、このタイトルなのか、『チーム・ジンバブエのソムリエたち』はフランスで行われる「世界ブラインドワインテイスティング選手権」にジンバブエ共和国出身の4人のソムリエが挑むドキュメンタリーである。
ジンバブエから南アフリカに逃れてきた難民
タイトルからして、勝手にスポーツ・コメディ映画『クール・ランニング』みたいなほのぼの展開をイメージしていた。確かにここに出てくるソムリエたちは皆、明るい。けれど、彼らはこれまで想像を絶するような苦労をしてきた。すでに艱難辛苦を乗り越えてこそのポジティブさなのだ。あれ以上の悲劇はない。だから、前を向いている。
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/8/8/600mw/img_880bf9615460cc7bc7bc8cc8b11dda1b1973453.jpg)
ジョゼフ、ティナシェ、パードン、マールヴィンは南アフリカ共和国で働くソムリエたち。生まれ育ったジンバブエから命からがら逃げてきた難民である。なかには家族に内緒で国を超えた者、家族を国に置いてきた者もいる。
![](https://jbpress.ismcdn.jp/mwimgs/a/4/600mw/img_a4608105ce99206680c5885f515de4752643644.jpg)
南アフリカに来ても生活の保証はない。アパルトヘイトが廃止されたとはいえ、ジンバブエ時代の前職はほとんど白人が占めていて、外国人にチャンスはなく、一から働き始めなくてはならない。それでもジンバブエよりはまし。4人は元々、知り合いではなかった。彼らを結ぶ共通点はワインだ。