2050年までのトヨタの過剰販売台数は6300万台

 世界的にEV化の流れが加速する中で、ハイブリッド車に軸足を置き続ける日本、とりわけトヨタ自動車に対する風当たりは強くなっている。

「トヨタ自動車、独フォルクスワーゲン、韓国の現代・起亜自動車など世界の主要自動車メーカーはゼロエミッション車への移行があまりにも遅く、地球にとって危険な結果をもたらしている。気候危機が深刻化する中、各国政府はディーゼル、ガソリン車を禁止する法律を制定している」(環境保護団体グリーンピース・ドイツのベンジャミン・ステファン氏)

 世界の平均気温上昇を産業革命前に比べ摂氏1.5度に抑えるには自動車メーカーはディーゼル、ガソリン車をEVに切り替える必要がある。グリーンピース・ドイツの試算では、現時点でネットゼロ(温室効果ガス排出量は実質ゼロにすること)を目指す2050年までに販売が許される新車のディーゼル、ガソリン車は3億1500台だという。

 しかし販売予測は6億4500万台から7億7800万台。3億3000万台から4億6300万台(105~147%)の過剰になる。中央値で見た場合、過剰販売台数はトヨタが6300万台(164%超)、フォルクスワーゲンが4300万台(118%超)、現代・起亜自動車が3900万台(142%超)、米ゼネラルモーターズが1300万台(57%超)にのぼる。

 トヨタはCOP26が終わった昨年12月、2022~30年で電動化投資に8兆円を充てると発表した。EVに4兆円、車載バッテリーに2兆円を投じ、30年に世界でEVを年350万台販売する目標を掲げた。先月、ロイター通信が、トヨタがより競争力のある車両を開発するためEV戦略の修正を検討していると報じ、激震が走った。