(英エコノミスト誌 2022年11月12日号)

共和党はトランプの亡霊とお別れするときだ

トランプ前大統領の努力にもかかわらず、米国とその民主主義は中間選挙後により強くなったように見える。

 中間選挙の少し前、ドナルド・トランプ氏がオハイオ州で集会を開いた。

「我々の国は第三世界になりつつある」と有権者に訴えた。そしてその後、大統領選挙に再度出馬することを近々発表するとほのめかした――いや、発表するぞと「脅した」と言うべきだろうか。

 こんな人物を表看板に据えた政党には、果たしてどんな問題が起きうるのか。

 2020年の大統領選挙の正統性を再度争いたいがために、トランプ愛の真の守り手であることを主な理由に主要州の候補者を選んだ政党には、果たして何が待ち受けているのだろうか。

トランプ氏とその政治手法に傷

 その答えは「かなり多くの問題」だった。

 米国と西側陣営にとって、2022年中間選挙の結果のうち最も重要だったのは、トランプ氏とその政治手法が選挙の過程で傷を負ったことだ。

 これには北京やモスクワの独裁者をはじめ、米国凋落の兆しを探し求めている人々全員が落胆するだろう。

 米国政治には、圧勝などというものはもはや存在しない。

 人口3億3000万人の国で数千票がどう割れたかに基づいて、米国は自分たちのものだと言い出す政党があったら、眉をひそめ、結果を深読みしすぎないようにするのが賢明だ。

 大統領を送り出している党は、必ずと言っていいほど中間選挙で議席を減らす。南北戦争が終わった1865年以降、このパターンの例外は3度しかない。

 有権者は「ねじれた」政府がお好みらしく、ワシントンでは1970年代以降それが普通になっている。

 連邦議会の上下両院で過半数を押さえ、ホワイトハウスも手にしている党は、それがどこであろうとお灸を据えられる。

 2010年のオバマ政権しかり、2018年のトランプ政権しかりだ。従ってジョー・バイデン大統領のチームも今年は負けを覚悟していたに違いない。

 かつてワシントンで大規模な立法プログラムの推進を可能にしたような大多数を維持する力は、今やどちらの党にもない。