多くの犠牲者の死と向き合いながら復興を進めてきた私たち。住民たちの証言映像やアートの持つ普遍的な力により、いのちの重さ、尊厳、そのかけがえのない輝きにひとりひとりが思いを馳せてほしいという願いを込めて展示を進めてまいりました。

 施設内には写真家の浅田政志氏と町民たちが協働で創り上げた写真作品も展示されます。

道の駅は「9年間の集大成」

 設計担当者の名城俊樹氏(隈研吾建築都市設計事務所パートナー)は、マスタープランづくりの段階から9年間、南三陸町のプロジェクトに関わってきた。名城氏は今回のプロジェクトを「集大成」と位置付ける。

 私は『隈研吾建築図鑑』の取材のために2年半ほど前にここに来た。そのときには、「さんさん商店街」と「中橋」はできていたが、川の対岸の「南三陸町震災復興祈念公園」は整備中だった。そちらもすでに完成しており(設計はプレイスメディア、2020年10月開園)、今回の道の駅はエリア全体の「集大成」となる。

公園の設計はプレイスメディア(協働/土木:玉野総合コンサルタント/サインデザイン:ジオ)