2008年、来日し、日本科学未来館(東京・江東区)でスピーチするチャールズ皇太子(写真:橋本 昇)
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(フォトグラファー:橋本 昇)

 イギリス国内のみならず、世界中から敬愛された女王エリザベス2世が亡くなられた。御年96歳、女王の在位は71年目だったという。

 最後まで女王としての職務を全うされた強い意志の持ち主でもあった。

「私がホッとするのは馬や愛犬といる時ね。なぜならば彼らは私が誰であるかを知らないから」

 というチャーミングな言葉も印象深い。

 その立派な生涯に敬意を表すとともに、謹んでご冥福をお祈り申し上げたい。

初来日でダイアナフィーバー、しかし夫婦関係はすでに冷め切っていた

 さて、このような立派な女王を持つイギリス王室は常に世界中から注目されてきた。中でも全世界の視線を釘付けにしたのが、1981年のチャールズ皇太子(当時)と名門貴族の令嬢ダイアナ・フランセス・スペンサーとの結婚だった。特に、おとぎ話のお姫様のようなルックスで、突如人々の目の前に現れた故ダイアナ元皇太子妃は、一大旋風を巻き起こした。20歳の一人の若い女性が一夜にして世界が注目するヒロインに変身したのだ。

 日本へはチャールズ皇太子とともに1986年5月に初来日し、その美しさと笑顔で日本中を魅了した。その熱狂ぶりは“ダイアナフィーバー”という言葉も生まれるほど凄いものだった。

 だが実は、このときすでに二人の夫婦関係は冷め切っていた。ダイアナ妃は笑顔の裏に、夫チャールズ皇太子への不信感を隠し通していた。