控えめなカミラ夫人に安らぎを覚えるチャールズ皇太子

 2005年、二人は静かに結婚式を挙げ30年越しの愛を実らせたが、人々のカミラ夫人嫌いは続いた。

 そのチャールズ皇太子とカミラ夫人が、2008年10月、日本を訪れた。その際にも取材の機会を得た。

 慶応大学の三田キャンパスに現れたチャールズ皇太子。18年という時の流れは皇太子を若き王子様からロマンスグレーの穏やかな紳士へと変えていた。傍らにはカミラ夫人がぴったりと寄り添っていた。

2008年10月に訪日したチャールズ皇太子とカミラ夫人(写真:橋本 昇)
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 皇太子の顔には2、3本の大きな皺も見られたが、清々しく穏やかな笑顔から彼の今の幸せが伝わってくるように感じた。彼は居並ぶ人々の一人一人に明るく微笑んでジョークまで飛ばした。その傍らに遠慮がちで控えめなカミラ夫人の笑顔があった。私はその優しい笑顔に私は魅了されてしまった。

 チャールズ皇太子は3日間の滞在の間、行く先々でその魅力的な人柄を行動にじませ、人々を微笑ませた。お台場にある科学未来館では、出迎えた二足歩行ロボットに驚き“ワンダフル”を連発した。その様子はまるで子供が夢見たおもちゃをもらって狂喜しているように無邪気に見えた。