軽自動車全体のユーザーは、50代や60代以上の女性が多い。それに対して、ムーヴキャンバスは、ダイハツが若年層と定義する20代から未婚の40代までの女性ユーザーが多い点も、唯一無二の存在だといえるだろう。

 ダイハツによると、初代ムーヴ キャンバスを見て「あのカワイイ車は何?」と、街中を走るムーヴ キャンバスに「ひと目ぼれ」する女性ユーザーがとても多かったという。

ムーヴ キャンバスの「可愛さ」の秘密

 その可愛さはどこから生じているのか。ストライプスボディカラーの影響が大きいとするならば、他のメーカーも同様のボディカラーを導入することで、ムーヴ キャンバスの一人勝ちを阻止することもできたはずだ。

 だが、ムーヴ キャンバスが可愛いのは、ボディ形状も大きな要因となっている。軽自動車市場で主流の、車高がとても高いホンダ「N-BOX」のような軽スーパートールワゴンではなく、それよりやや背が低い軽トールワゴンになっていることで、ストライプカラーを含めた全体のデザインのバランスが際立ったということだろう。

 さらに、2016年に初代が登場した当時は、スライドドアはスーパートールワゴンで標準装備されるものであり、軽トールワゴンでの採用はムーヴ キャンバスが唯一無二の存在だった。