ストライプス効果を強く発揮するには、ボディの形状、ヘッドライトやリアコンビネーションライトの意匠など、エクステリアデザインの全体とのマッチングが必要だということだろう。
ただし、ストライプスを採用することの逆効果もある。
新型ムーヴ キャンバスのデザイナーは、「ストライプス(ありきのデザイン)だと“意匠シロ”が減るのも事実」と指摘する。“意匠シロ”とはデザインの自由度を指す。
ストライプスにすると、ボディ全体が横長のイメージになってしまったり、ストライプスとバランスの良いスライドドアを採用することで車体側面の後部に、スライドドアをガイドする溝が横一直線に組み込まれてしまうなど、デザインの自由度が狭まってしまうというのだ。
こうしたストライプスに対する課題解決の他にも、新型ムーヴ キャンバスの開発にあたっては、デザイン上の大きな挑戦があった。
それは、ダイハツが「セオリー」と呼ぶモノトーンカラー(単色)の販売拡大だ。セオリーは「ライフスタイルの中で自分なりのこだわりを持つ」ユーザーを意識したモデルとして新たに設定した。

初代モデルでもモノトーンカラーの設定はあったが、ベースモデルのような可愛いイメージを持つユーザーが多く、販売が伸びなかったため、様々なオプションを融合した特別仕様車に仕立てることで、モノトーンカラーの販売を支えてきたという。新型では、セオリー独自のインテリアカラーを用いるなど、ストライプスとは別の世界感を持たせることで、新規ユーザーの獲得を目指す。