文在寅政権の大企業への敵対的政策が元凶

 MZ世代が過重な負債に苦しめられるようになった根本的な原因は雇用の格差だ。膨らんだ貸し出し利息に耐えられえるほどの所得がある青年は少数だ。

 雇用労働部によると今年6月時点で、従業員1人以上の事業者従事者1924万3000人のうち常勤労働者300人以上の企業に通う会社員は306万人に過ぎない。つまり賃金労働者の大半は小規模企業の従事者ということになる。

 よく言われていることだが、韓国の大企業と中小企業とでは賃金格差も激しい。韓国経営者総協会によると2020年基準で従業員300人以上の企業の正規職大卒初任給は年俸5084万ウォンであるが、300人未満の年俸はその58.7%の2983万ウォンとなっている。2011年時点ではそれぞれ3005万ウォン、2551万ウォンで格差はそれほど大きくはなかったのに、10年にも満たない間にこれほど格差が拡大してしまったのだ。

 経済政策的には、文在寅政権の企業に敵対的な政策がこの惨状を招いた。リーマンショック後の回復に関して言えば、韓国はOECD諸国の中で最も早かった。それは財閥系輸出企業の貢献が大きかった。

 しかし、文在寅政権になってからの労働組合寄りの政策(重大災害処罰法により企業者責任の強化、最低賃金の大幅引き上げ)は大企業を苦境に追いやった。そのため大企業の多くは国内投資よりも国外投資に向かうようになった。特に大企業の製造拠点が次々と海外に流出していき、それに伴って国内の良質の雇用も次々と失われていった。韓国の製造業の雇用は18万人分が消失したが、海外に進出した韓国企業は現地で42万人を雇用したという。

 こうして、大企業に働く労働者の減少と、それに伴う所得格差の拡大という結果を招いたのである。若者の間では、学業に精進しても良質の雇用を得られないことへの不満が高まっている。加えて投機の失敗で追い詰められたMZ世代は、社会への反発を強めている。