ソウル市内のアパート(マンション)群(5月17日撮影、写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 韓国の中央銀行である韓国銀行が政策金利を2.25%に一気に0.5ポイント引き上げた翌日の2022年7月14日、韓国の金融委員長が会見を開いて緊急経済対策を発表した。

 金利上昇の直撃を受ける債務者を救済する内容だが、破格の内容が話題となっている。負担を強いられる銀行は戦々恐々だ。

「あー、金利がまた上がった。すでに5%台なのにどこまで上昇するのか」

 2022年7月13日に韓国銀行が利上げを決めた直後に会った40代の韓国の大企業中堅幹部は、銀行からのメッセージをスマホで確認しながらこう嘆いた。

利上げが国民生活を直撃

 この中堅幹部は2年前に、ソウル市内にアパート(マンションに相当)を購入した。詳細は語らないが、場所から見て価格は20億ウォン(1円=9.9ウォン)くらいか。

 かなりの金額を銀行などから借りている。

「住宅担保ローンには厳しい貸し出し規制がかかっているので、結局、かなりの割合でより利子が高い信用ローンを利用している」

「変動金利だから、最近のニュースを見るたびに不安になる」

「子供の中学入学が近づいてそろそろ教育水準の高い地域でアパートをと考えていた2~3年の間に価格が2倍以上に急騰してしまった。おまけに金利急騰でダブルパンチだ」

 他人の財布のことだが、毎月の負担額が100万ウォン以上は増えるのではないかと思われる。

 韓国では急速に進む物価上昇を抑えるために韓国銀行が連続利上げに踏み切った。

 7月13日に断行した利上げ幅はこれまで例がない0.5ポイント。物価上昇は今後も続くと見られ、さらなる利上げが必至の情勢だ。

 金利上昇は、過去数年間の不動産ブームに乗って「無理をして不動産を購入した」庶民、中間層を直撃している。