「経済悪化のペースは予想よりもずっと早い。選挙では圧勝したが、尹錫悦(ユン・ソンニョル=1960年生)大統領の前には難題山積だ」
2022年6月14日に会った韓国の大企業役員は顔を曇らせる。韓国経済が物価高と株安に加えて、ストの大波に見舞われている。
ポップコーンで映画鑑賞の翌日に…
週明けの6月13日、韓国の総合株価指数(コスピ)は前週終値比3.52%下落して2504ポイントとなった。下落率は今年になって最大幅だった。
韓国メディアは「ブラックマンデー」という表現まで使って報じた。
6月13日の米株式市場でダウ工業株30種平均が年初来安値を付けたことで、14日もコスピは続落して取引を開始、午前中に2500ポイントを割り込んだ。
6月11日と12日の週末、尹錫悦大統領は夫人とともにパン屋や映画館に行った。
日曜日に映画「ベイビー・ブローカー」を鑑賞した際には、夫婦でポップコーンを手にする場面の写真が公開された。
何となく微笑ましいとの反応が月曜日の朝まではあった。ところが、株式市場での取引が始まると、ニュースは経済一色になった。
コスピとウォンが急落したのだ。夫婦で仲良く映画鑑賞というニュースもあっという間に消えてしまった。
経済情勢は深刻だ。