2022年5月10日、韓国の尹錫悦(ユン・ソギョル=1960年生)大統領が就任した。
5年ぶりの保守政権誕生に韓国の財閥・大企業の期待は大きいが、喜びに沸くという雰囲気はない。国会の絶対多数を野党が握っているうえ、世界経済に暗雲が立ち込めているからだ。
大統領就任式に、韓国の財閥総帥が全員顔をそろえた。
演台近くに総帥ずらり
演台に近い前の方の列に右からサムスン電子の李在鎔(イ・ジェヨン=1968年生)副会長、ロッテグループの辛東彬(シン・トンビン、重光昭夫=1955年生)会長、鄭義宣(チョン・ウィソン=1970年生)会長、LGグループの具光謨(ク・グァンモ=1978年生)会長が並ぶ。
同じ列の左側には大韓商工会議所の会長でもある崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)SKグループ会長のほか、韓国貿易協会、韓国経営者総協会、中小企業中央会の会長が並ぶ。
5大グループの総帥と経済団体会長は、この日、新羅ホテルでの晩餐会にも招かれた。
韓国の財閥トップからすれば、就任した日に新任大統領と面談できたことも意味する。
財閥や大企業の間にはもちろん、5年ぶりの保守政権への政権交代を歓迎する声は強い。
財閥の役員は「尹錫悦大統領は常識の通じる社会という言葉をよく使うが、企業から見れば、普通にコミュニケーションできることが何よりも好ましい。就任式と晩餐会にトップが参加したことは意味がある」と話す。
財閥トップとの面談に100日かかった例も
大統領と財閥総帥の面談がいつ、どういう形になるのか?
どの財閥にとっても気がかりではある。
歴史的にみると、尹錫悦大統領は「早い方」だと言える。