2018年は日本と同じような記録的な暑さを記録した韓国だが、今年の暑さは家庭の懐を直撃しそうだ(2018年8月1日ソウルで、写真:AP/アフロ)

「値上げしなければ存立さえ危ぶまれる」

 2022年6月28日、韓国の秋慶鎬(チュ・ギョンホ=1960年生)副首相兼企画財政部長官はこう話した。

 韓国電力公社が7月から電気料金を引き上げることになったことについての説明だった。

 前日の27日、韓国電力は7~9月期から電気料金を引き上げると発表した。

熱帯夜に電気料金値上げのニュース

 ソウルは梅雨に入り、ここ数日は雨模様だが、蒸し暑く6月にもかかわらず28日まで2日連続で熱帯夜となった。

 エアコンを使う時間が長い毎日で電気料金のニュースに一般国民は敏感だ。そんな中での値上げ発表だった。

 韓国の電気料金は、「基本料金」と使用量に応じた料金、気候環境基金、付加価値税の合計に「燃料費調整額」を増減して計算する。

 今回は、この「燃料費調整額」のうち四半期ごとに算定する分について1kWh(キロワットアワー)あたり5ウォン(1円=10ウォン)引き上げる。

 韓国電力が平均的な4人家族の住宅用電気料金で試算したところ、毎月の料金が1700ウォン(税込み)増加するという。

 韓国メディアによると、値上げ幅は家庭用で3~4%ほどとなる。

 韓国経済にはインフレの兆候が鮮明に出始めている。野菜や肉、乳製品などの食料品などの値段が目に見えて上昇しており、電気料金の値上げ幅は決して小さくはない。