訪台は外交ではなく国内政治

 今回のペロシ議長の台湾訪問の背景について、「これは元々外交ではなく、政治だ」と言い切るコラムニストがいる。

 ピーター・フォン・ブラウン氏だ。

「バイデン氏はペロシ氏の訪台に弱り切っていたはずだ。この訪問は、百害あって一利なし。ペロシ氏には、中国の諺を覚えていてほしい」

「『コップ一杯のジュースを絞り出すには大変な努力が必要だ(Always know if the juice is worth the squeeze=一生懸命絞るほどジュースに価値はあるかね)』」

「国内政治的ジュースとは、ペロシ氏にとっては再選を目指す選挙区のアジア系有権者の票だ」

「だからこそビッグ・チャイナ(中華人民共和国)に立ち向かうことは同氏にとっては最重要な政治的アイデンティティであり続けた」

「だが台湾に行くということが中国の主権に対する悪意に満ちた挑発であり、内政干渉であり、世界に対する極めて危険な政治シグナルであることは分かっていない」

https://spectatorworld.com/topic/pelosis-cynical-visit-to-taiwan/

 ペロシ氏は、下院議員歴35年、下院議長は2007年から11年、民主党が野に下った2011年から19年までは民主党の下院院内総務を務め、バイデン政権発足と同時に下院議長に返り咲いている。

 バイデン政権が選挙公約に掲げたインフラ投資計画法案など、野党共和党や民主党内急進左派の反対を抑え込み可決成立させてきた交渉術では、民主党内で右に出る者はいない。

 他方、党内若返りを狙う若手の「反乱の動き」に対しても判然と立ち向かう手腕をめぐっては毀誉褒貶が激しい。