「トヨタはゼロエミッションを目指す英政府の目標を共有している」
英国トヨタは筆者の問い合わせに「より広い文脈を無視して私たちが1年前に行った英政府の諮問への回答の一部を切り取った報道は正確ではない」とデーリー・テレグラフ紙の報道を暗に批判した。英国トヨタの言い分はこうだ。
「トヨタはゼロエミッションを目指す英政府の目標を共有している。トヨタは大手自動車メーカーの中でもトップクラスのCO2排出量削減実績を誇っている。英国での生産台数の最大90%はフルハイブリッド車だ。欧州のCO2排出量目標を達成できなかったことは一度もない」
トヨタにはゼロエミッション達成のための明確なロードマップがあり、英国を含む西欧では30年までにZEVの販売比率を50%超に引き上げ、35年までに新車販売をすべてZEVに切り替える。「英政府は30年以降、ZEV普及に向けさらに前進したいと考えている。多くの自動車メーカーにとって大きな挑戦だが、トヨタはそのための方法を検討している」(同)
その一方で「ZEVの普及はクリーンエネルギー、充電インフラ、原材料の入手可能性などの進捗に左右される。トヨタは英国工場を含め長期的かつ持続可能な未来の実現に注力している。競争力を維持することは不可欠だ」と、まず「ネットゼロ」ありきで産業政策と世界ビジョンを欠く英政府の対応を批判しているように聞こえるのも事実だ。