●翌2006年5月の内閣官房長官時代にも、やはり同組織のイベントに祝電を打った。これは全国12都市で連続して行われたもので、安倍氏はこのうち東京と広島の大会に2度の祝電を打っている。この他に数十人の国会議員が祝電を打ったり来賓で招かれたりした。

関連団体所長が著書で「安倍晋三」を激推し

●2009年に自民党が下野すると、自民党議員が統一教会の関連団体で講演することが増える。関連する「世界平和連合」「世界平和女性連合」で稲田朋美氏が講演。安倍氏も「世界戦略総合研究所」の講演やシンポジウムに登壇。同研究所の定例会では、下村博文、中川秀直、衛藤晟一、石破茂などが講師を務めている。

 そして、2012年の9月に文鮮明が死去。後継問題で教団の基盤が揺らぐと同時に、この年の12月に第2次安倍政権が誕生している。

●2013年には「世界戦略総合研究所」の阿部正寿所長の著書の出版記念会に下村博文、中川秀直、上野通子、磯崎仁彦らが出席。衛藤晟一らが祝電を送った。この著書『安倍政権の強みがわかる 日本[精神]の力』には、以下のような記載がある。

「なんとか保守政権を樹立すべく私なりに努力してきた。そしてその中心人物は安倍晋三氏でなければならないと決めてきた。これは単に相応しい人物というより、天の摂理から見て安倍晋三氏であるべきだと感じたからである。(中略)簡単に言えば天が選んだ人物だということである」

●2013年7月の参院選では安倍氏の地元山口から立候補した北村経夫の選挙支援が教団に要請されている。同年5月には当選した北村氏の著書『誇り高き国へ』の出版記念パーティーに「世界戦略総合研究所」の事務局次長の小林幸司氏が招かれ、のちに関係者は安倍首相主催の桜を見る会にも招待されているとされる。

●2015年には「世界基督教統一心霊協会」から「世界平和統一家庭連合」に名称が変更されているが、文化庁が長らく許可しなかったところを、当時の下村博文文部科学大臣の働きかけがあったとされる(これについて下村氏は先週SNSで否定)。教団名変更式典には、鳩山由紀夫、亀井静香が祝電を送った。

●2016年には、米国で大方の予想を裏切ってトランプ氏が大統領選挙に勝利しているが、パイプを持たなかった安倍官邸はこの時に教団を利用して当選直後のトランプ・安倍会談にこぎつけたと見られている。

●2017年には統一教会の幹部の一行が来日。自民党執行部が彼らを自民党本部や官邸に招待。当時の菅義偉官房長官も彼らを官邸に招待すると案内したとされる。

●この頃には、自民党の多くの国会議員が教団の活動に協力していると報じられていることを、実名と証拠書面で示す。

●首相時代の安倍氏は、「国際勝共連合」の月刊誌『世界思想』の2013年3月号と9月号、2017年12月号、2018年6月号の表紙として登場している――。