○1967年には笹川氏が本栖湖の畔の施設に教祖の文鮮明、白井為雄氏(児玉誉士夫氏の代理)、日本統一教会の初代会長の久保木修己氏を招き、翌年には韓国と日本で反共産主義の政治団体「国際勝共連合」を設立。笹川氏が日本支部の名誉会長に、久保木氏が会長に就任している。
○1970年に開催された「世界反共連盟(WACL)」のイベントでは、笹川氏、岸氏以外にも多くの自民党議員が花を贈っている。岸氏が名誉実行委員長を務めた1974年の「希望の日晩餐会」では当時の福田赳夫外相が「アジアに偉大なる指導者現る。その名を文鮮明という」などというスピーチを行い、のちの国会でも追及されている――。
ちなみに、福田元首相の派閥の流れが現在の安倍派に連なる。
さて、問題なのは、「霊感商法」という言葉が定着したとされる1985年以降だ。
霊感商法が社会問題化してからも続いた関係
それまでは反共思想で政治とつるんでいたはずが、ここから「反社会的な団体」としての性質を帯びるようになる。にもかかわらずだ。反訴状には、その後の自民党と統一教会の関係についても、以下のようにまとめられている。
●霊感商法によって売られたとされる壺や多宝塔などは、実は価値のあるもので、高額で買った人々は喜んでいるとする「霊石愛好会」の集会が国内各地で行われたが、ここに福田赳夫元首相をはじめ、自民党の国会議員が祝電を送り、国会で問題となった。
●1992年には文鮮明が来日している。本来であれば、米国で1年以上の刑を受けている文鮮明は入国管理法で入国できないはずだったが、「北東アジアの平和を考える国会議員の会」(自民党議員31名)なる団体の招請ということで、当時の金丸信議員が法務大臣に働きかけて入国が実現したとされる。これも国会で取り上げられている。
●その後、表立った政治との関係は控えられるように見えたが、2000年代に入ると再び顕在化する。
●1992年の8月にもソウルでの統一教会のイベントで祝辞を述べた中曽根康弘元首相が、2004年3月に都内での関連団体「世界平和連合」の大会で憲法改正について講演している。この時は自民党議員8名の他に、当時の民主党議員9名が参加。当時の鳩山由紀夫代表も来賓として挨拶している。
●2005年10月4日には、(山上容疑者が殺意を抱くきっかけとなったという)「天宙平和連合」の行事に、すでに安倍氏が祝電を打っている。