「欧州の穀倉地帯」

 ランズベルギス氏によれば、昨年の収穫でウクライナのサイロにはまだ3000万トン近い穀物が残っている。戦争にもかかわらず、今年の収穫はさらに数百万トンをもたらす可能性がある。小麦の最大の輸入国エジプトは年間1300万トン、中国は964万トンを輸入している。国連世界食糧計画(WFP)で使われる穀物の半分はウクライナ産だ。

 ウクライナの国土の半分は平野で、肥沃な黒土におおわれ、ロシア帝政時代から「欧州の穀倉地帯」と呼ばれる。米農業専門サイト「ファーム・ジャーナル」によると、ヒマワリの種の生産量は世界一、トウモロコシ、オオムギは同6位、アブラナは同7位、コムギは同9位、ダイズは同9位だ。ウクライナはイタリア映画『ひまわり』(1970年)の舞台にもなった。

 ポーランドへの鉄道輸送はウクライナの軌間がポーランドやルーマニアをはじめ欧州連合(EU)の多くの地域と異なるため、各車両の車輪の幅を変えたり、荷物を変えたりする必要がある。トラックで輸送するにしてもウクライナでは燃料が不足している。ウクライナからの食糧供給を正常化するにはオデーサ港を食糧輸出のために使えるようにするしかない。

「迫り来る世界食糧危機を深刻にとらえる国、ロシアにウクライナの海上輸送を封鎖する権利があるとも、ウクライナ人虐殺の戦費調達のため食料品価格の上昇に乗じてロシアが自国の穀物輸出で利益を得ることが許されるとも考えない国は、オデーサから黒海を渡ってトルコのボスポラス海峡まで安全に船が航行できることを保証すべきだ」(ランズベルギス氏)