英紙「“有志連合”はオデーサからボスポラス海峡を通る“保護回廊”を提供する」

 ロシアとウクライナを合わせると世界の小麦供給の30%近くを占める。世界の約4億人がウクライナの穀物輸出に頼っており、エジプトやレバノンなど中東の国々のウクライナ依存度は高い。燃料や肥料、飼料の高騰が農家を直撃し、食料品価格の上昇や9%のインフレでイギリスでも無料で食料を配るフードバンクの利用者が昨年同期に比べ2割以上も増えている。

「穀物を積んだ民間船がロシア軍の黒海艦隊から攻撃されないよう、またロシア船がオデーサを奪取するため回廊を航行できないようにするには海軍の存在が必要かもしれない。ロシア軍の攻撃からオデーサを守れるようウクライナの中距離ミサイル能力を保証すべきだ。これは非軍事的な努力だ。エスカレーションではない」とランズベルギス氏は強調する。

 英・リトアニアの共同宣言を受け、英紙「タイムズ」は翌24日、「イギリスはウクライナの穀物を運ぶ貨物船を保護するために、黒海に軍艦を派遣することについて同盟国と協議している。“有志連合”はオデーサからボスポラス海峡を通る“保護回廊”を提供することでロシアの海上封鎖を数週間で解除することを目指している」と報じた。

 記事は「世界食糧危機を回避するための時間がなくなってきている。港の機雷を除去し、ロシアの攻撃から守るためにウクライナに長距離兵器を提供することが必要となる」とも指摘した。黒海艦隊の旗艦モスクワがウクライナ製地対艦巡航ミサイル(ネプチューン)2発によって撃沈され、黒海には艦船6隻と潜水艦2隻が残っているとされる。