「あなた、事務次官でしたよね」
そして後日、文部科学大臣となった当時の官房副長官の萩生田光一さんに天下り問題で詰め腹を切らされた前川喜平さんが、恨み骨髄でネタ披露しているあたりに哀愁を感じます。文科行政の観点から言えば、大臣となった柴山昌彦さん(柴山プラン)から萩生田光一さんという奇跡的なリレーがなければ教育のICT化、GIGAスクール構想、子どもに一人一台PCを与えるような画期的な取り組みはできなかったであろうことは容易に想像できます。その前任時期の事務次官であった前川喜平さんが、今の教育政策議論についてこられないのも当然のこととも言えます。
加計学園問題に端を発した一連の事件で前川喜平さんが「左翼の星」に祭り上げられて政権・自民党批判や文科省昔話で話題作りをするのも、彼なりの面従腹背の美学によるものも大きいのかもしれません。
◎「この前まで仲間と…」最側近の標的にされた前川喜平氏:朝日新聞デジタル(https://www.asahi.com/articles/ASP3L36DYP35UTFK030.html)
ただ、前川さんがいくらかつての部下に責任を被せて文科省は駄目だと力説されたところで、たぶん門外漢の左翼しか喜ばないし、騙せないと思うんですよ。日本の霞が関の皆さんも、正当な批判もいい加減な暴論も反撃せずじっと耐えているけれど、みんな人間だし、思うこともありますから、また前川さんが古巣批判してると半笑いで見ているだけなのだろうと思います。
実際、前川喜平さんが書かれた本は全部目を通していますが、教育行政批判においては特に、「確かに前川さんその通り!」と首肯する部分もある一方、その主張も正しければ正しいほどだいたいこの辺に集約をされるんですよね。
「なるほど、文科省は組織として問題ですね。でも、あなた、事務次官でしたよね」