ウクライナに侵攻したロシアのプーチン大統領に抗議する女性(写真:ロイター/アフロ)

(山本一郎:次世代基盤政策研究所理事)

 先日、茂木健一郎さんのご高説を賜る機会があり、その中で「B層」という話が出ました。

 茂木さんとのお話の中では、クイズ「東大王」に対する批判や日本社会における学歴の問題、それを支える偏差値のような仕組みがある種の大衆扇動を伴ってB層に影響しているという話につながりました。B層は、マスコミの報道に流されやすい情弱の人たちのことです。

 学歴や偏差値は、他者との比較(例えば、自分の優秀さの確認)や自分や他人の能力を判断する物差し、言い換えればレッテルとして、相手がどういう人物なのかを推し量る労力をショートカットしてくれる便利な存在です。

【参考動画】
日本にはなぜ#B層が多いのか(https://www.youtube.com/watch?v=An2Gh84kVdo)

 一連のロシアによるウクライナ侵攻についても、物事を理解するためのフラグやラベリングとして、より分かりやすい何かが求められる動きが顕著になっています。

 ロシアとウクライナの関係なんて、例えば、テレビのニュース番組が冒頭5分を割いて説明したところで説明しきれるものではありません。でも、実際に起きている大事件であり、とはいえ説明しないといけないので、報道の現場も大変であろうと思います。

 結果的に感情に訴えかけるような、例えばウクライナの子どもがロシア軍の砲撃の破片を受けて死んでしまった、というような凄惨な場面を切り取る報道が多くなるので、心を揺さぶられる人も多かろうと思います。私も子育てをしている身として、侵攻だけでも恐ろしいのに、避難できない民間人を殺すのは到底容認できんよなあと強く共感します。

 問題は、そういう共感によるラベリングは正しいかという話になります。