期日前投票が実施された韓国(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 韓国の大統領選挙に出馬した「共に民主党」の李在明(イ・ジェミョン)候補は、3月5日23時頃に、「私が作った期日前投票で“1”を出した」と、写真付きのツイッターを投稿した。筆者は翌朝、彼のこのSNSを見て驚いた。「何でもう結果が出ているんだ」と。

 詳細を読むと、期日前の投票率36.9%で歴代最高投票率を達成したという何でもない内容だったのだが、非常に紛らわしい。韓国人の友人に見せても、「開票前に1位を宣言するなんて凄いね」とネイティブですら勘違いしたほどだった。筆者のように、一瞬でも誤解した韓国人は他にも大勢いたことだろう。

 今回の期日前投票では、有権者4419万7692人のうち1632万3602人(36.93%)が投票した。期日前投票制度が2014年全国単位選挙で導入されて以降、今回が最も高い投票率となった。李候補はこの高い投票率を、自身と自身の支持者が作った記録のようにSNSで発信した。

 ちなみに「私が作った1」とは、李候補らが使用するスローガンだ。

 期日前投票を行った李候補の支持者らは、「私が作った1」というハッシュタグと共に、親指の腹に押された投票判が見えるようにサムズアップを作り、その姿をSNSに投稿して選挙を盛り上げている。3月6日の李候補のツイッターは、これら支持者をリツイートする投稿でいっぱいだ。

サムズアップする李在明候補。画像には「私が作った1」とある

 2日間の期日前投票を終え、各地で様々な問題が報告されている。

 朝鮮日報「“なぜ自分で投票箱に入れられないんだ” “1番に判を押した用紙はなんだ”感染者投票に相次ぐ抗議(2022.2.5)」に書かれていた内容の一部をご紹介しよう。次の出来事は、ソウル市内のとある投票所で起こった騒動だ。