ラッキンコーヒーの店舗。企業キャラクターとしてオリンピックのメダリストを起用するなど、精力的なPR活動を行っている(筆者撮影)

(加藤勇樹:香港企業Find Asia 企業コンサルタント)

 中国で最も一般的な飲み物は伝統的な中国茶ですが、最近ではコーヒーの存在感が大きくなり始めています。中国におけるコーヒーの最新動向を、1年前(2021年5月)にお伝えしました。

巨大市場になるか?中国コーヒー消費
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/65280

 その記事中では、急成長していた「ラッキンコーヒー」(luckin coffee、瑞幸咖啡)が、米国で破産申請するなど、ブレーキがかかったことに触れました。ところが1年を経た現在、ラッキンコーヒーはみごとに復活しました。その要因を筆者なりに分析しました。

急成長からの急転落

 2010年以降、注目を集めた中国企業は、テンセントやアリババといったデジタルテック企業、HuaweiやZTEといったハードウェア企業が中心でした。その中で異色だったのはラッキンコーヒーです。ラッキンコーヒーはコーヒーという、従来の中国の食習慣とは異なる領域で急成長しました。

 同社の設立は2017年。創業者の陆正耀氏は、カーシェアリングサービス「CAR Inc」(神州租车)などを起業した人物です(「“套路之王”——陆正耀」https://new.qq.com/omn/20210610/20210610A09MSI00.htmlより)。ラッキンコーヒーは、スマホアプリを使った注文システム、店舗での飲食よりも持ち帰り中心という、従来の飲食産業とは異なる形態を採用しました(「Luckin Coffee Company Overview」https://investor.lkcoffee.com/より)。

 2017年10月に第一店舗が開店したのを皮切りに、14カ月目に2000店舗、21カ月目に3000店舗と店舗数が急拡大しました。また米国でナスダック(NASDAQ)上場を18カ月で達成し、「中国の誇りや希望」という高い評価を得ていました。

街中の実店舗と連動したラッキンコーヒーのスマホアプリ(筆者スクリーンショットより)