中国では日本にも増して自撮りが盛んだが(写真:ロイター/アフロ)

昨年中国で、日本の街並みを模した商店街が作られた。これは日本文化というよりは「自撮り」目的での集客を当て込んで作られたものだ。わざわざ「自撮り向け」を狙った施設の建設が加熱する中国の状況を、中国在住の加藤勇樹氏が解説する。(JBpress)

(加藤勇樹:香港企業Find Asia 企業コンサルタント)

「打卡(ダーカー)」。中国語で自撮りに相当するのは「自拍」ですが、最近はその代わりに「打卡」が使われることが多くなっています。

 本来「打卡」は、タイムカードなどで出退勤などの記録を残すという意味の言葉です。それが、「日々の記録を共有する」「流行の発信地を撮影する」といった、流行語として使われ始めています。さらに「打卡経済」「打卡圣地(打卡の聖地)」といった言葉も生まれてきています。

人気ドラマ「司藤」の聖地を巡る旅をSNSに投稿した例。「打卡」の文字が見える

 中国旅遊研究院によると、中国での2020年前期の総旅客人数は前年比38%という大幅な減少でしたが、2020年後半からは回復しており、2020年通年では前年比85%まで盛り返しました。

 そして、旅行や外出のきっかけとしてブロガーや「网红」(インフルエンサー)による打卡を見たからという動機が増えています。中国青年報社の調査によると、旅行先だけでなく、レストランの予約や映画鑑賞など、幅広い領域で打卡を意識した選択が広まりつつあり、81%が自身または周囲で「打卡」が一般化していると回答しています。