11月28日に突然、解放軍の習近平の一番のお気に入りの海軍上将、中央軍事委員会主席の苗華が「深刻な規律違反」を理由に停職中であることが、中国国防部の定例記者会見で明らかになったことは先週のこのコラム欄でも紹介した。その続報を整理したい。
(福島 香織:ジャーナリスト)
11月27日付けの英紙フィナンシャルタイムズが特ダネとして報じた国防部長・董軍の失脚については、国防部報道官が「捏造報道だ」と一蹴した。その後、フィナンシャルタイムズ報道を正式に否定すべく、国防部は董軍国防部長が、上海市で開催されたアフリカ・ギニア湾の安全保障会合に出席したことを12月5日にアナウンスした。
また4日のCCTVのニュースでは、習近平が4日、張又侠・中央軍事委員会副主席(制服組トップ)ら中央軍事委員を引き連れて4月に出来たばかりの情報支援部隊を視察している様子が報じられた。
こうした中国側の報道は、習近平と軍部は団結しており、外国メディアの報道には捏造が多いということを対外的に示そうという狙いがあると思われる。では、本当に習近平と軍部は団結しているのか。だとすると、台湾海峡や南シナ海の情勢にどのような影響があるのだろう。
まず情報支援部隊視察のニュースから分析したい。