ロシア軍は25日、東部へのウクライナ軍の援軍と米欧の支援物資輸送を妨げるため、中・西部の5つの鉄道駅に精密誘導ミサイル攻撃を行ったとみられる。オープンソース調査機関「ベリングキャット(猫の首に鈴をつける)」はウクライナ国営メディアに「ロシア軍は保有する精密誘導ミサイルの7割を使用した可能性が強い。ウクライナはミサイルを撃墜するだけでなく、プログラマーを特定する作業も行っている」と述べた。

「ゼレンスキー大統領の目標はロシアを領土から追い払うことだ」

 ロシア軍の損害について、ベン・ウォレス英国防相は「約1万5000人のロシア軍兵士が死亡した。戦車530両、装甲兵員輸送車530台、歩兵戦闘車560台を含む2000台以上の装甲車が破壊または捕獲された。60機以上のヘリコプターと戦闘機を失った。ロシアはスラバ級ミサイル巡洋艦モスクワが沈没したことを認めたが、これは侵攻以来失った2隻目の重要な海軍資産だ」と明らかにした。

 ブリンケン国務長官は26日、米上院外交委員会で「ゼレンスキー氏の目標はロシアが占拠している地域から彼らを追い出すことだ。ウクライナが主権を持つ民主的な独立国家として目標を定めるのであれば、われわれはそれを支持する」と述べ、最終的にはウクライナが抑止と防衛の能力を獲得できるよう支援する方針を表明した。

 オースティン国防長官も同日、ドイツのラムシュタイン空軍基地で開かれた国際会議で、40カ国以上によるウクライナ支援グループ結成を発表し、こう語った。

「この紛争を終わらせることが最優先課題だが、ロシアが近隣諸国を脅かす能力を低下させることも目的だ。ロシア軍は陸上兵力、精密誘導弾、主要戦闘艦を失った。対露制裁、貿易制限で弱体化した軍事力を補強するのを困難にする」

 ロシアから原油・天然ガスを輸入し、自動車・自動車部品や機械を輸出するドイツもこの日、ゲパルト自走対空砲(チーター)50両をウクライナに供与することを発表した。