健康な体作りや美容面でも注目される栄養素、たんぱく質。不足すると筋肉が減っていくだけでなく、心身のさまざまな機能が低下するなど深刻な悪影響を及ぼすと聞けば心配になってしまう。高たんぱくをうたうプロテイン入り飲料やお菓子がブームになっているが、十分なたんぱく質を日々の食事で摂取できないだろうか? 専門家である薬樹薬局の管理栄養士・大塚真結さんに日常生活でどのように摂取したらよいのか、年代別に教えてもらった。
たんぱく質は生命維持に必要不可欠
なぜたんぱく質を十分に摂取することが大切なのだろうか。
「私たちの体は筋肉や血液、臓器、肌、髪などたんぱく質でできていて、目に見えない神経伝達物質や消化に使う酵素もたんぱく質で構成されています。さらに筋肉の収縮やさまざまな物質を運ぶ時のエネルギーとしても使われているので、生きるために必須の栄養素なのです。
たんぱく質は20種類のアミノ酸でできており、そのうち9種類の必須アミノ酸は体内で合成することができないために、飲食で外から摂取しなければなりません。
たんぱく質が不足すると、髪や肌のトラブルや思考力の低下、筋肉量の減少などを招くおそれがあります。腕や足など見えるところだけでなく、臓器にとっても筋肉は重要な役割を果たしているため、筋肉量が減少するというのは非常に危険なことなのです」