基本は1食につき手のひら一つ分の主菜

 たんぱく質を多く含む代表的な食品は、肉、魚、乳、卵、大豆製品だが、米や麦などの穀類にも含まれているので主菜、副菜、主食をバランスよく取っていれば基本的に不足することはない。1日あたりの摂取量のおおよその目安として体重1kgあたり1gとされているので、体重60kgの人なら60gのたんぱく質摂取を目指したい。

 豚生姜焼き定食をイメージすると豚ロース薄切り2枚(60g)に13.6g、ご飯並盛り(180g)に4.5g、デザートにヨーグルト1カップ食べれば(90g)の3.2gと計21.3gのたんぱく質が摂取できるので、体重60kgの人の1食分をイメージしていただけるだろう。

 ただ、たんぱく質の量は食品そのものの重さとは異なるし、含有量もそれぞれ違うので、いちいち把握するのはなかなか難しい。

 そこで大塚さんが勧めているのは「手ばかり」だ。自分の手のひら(指を除く部分)の大きさと厚さを目安にして、1回の食事につき手のひらに乗る大きさと手のひらの厚みと同じ量の肉、魚、大豆製品などを主菜にするのだ。年齢や体格で必要な摂取量は変わってくるが、手のひらの大きさはだいたい体格と比例しているので、なるほどわかりやすい。薄切り肉や魚の切り身は自分の手のひらの厚さと同じくらいに調節する。

「手ばかりした主菜を1日3回、そこに牛乳や豆乳をコップ1杯、ヨーグルトを小鉢1杯、卵ひとつを加えるとおよそ必要なたんぱく質を取ることができます。この方法を実践してみた痩せ型の方は、『これまで毎食、必要な量の半分くらいしか取れていなかった』と話しておられました。

 また、妊婦中や授乳中の女性、成長期の子どもは体内で新しい組織を作っているので、さらに多くのたんぱく質が必要ですから、手ばかりにプラスαを心がけていただきたいと思います」

図:たんぱく質の食事摂取基準(日本人の食事摂取基準2020年版スライド集より)
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