解体された朝鮮総督府庁舎(写真:近現代PL/アフロ)

(羽田 真代:在韓ビジネスライター)

 台湾のメディア・フォーカス台湾が、2月19日付けで「旧日本軍の宿舎群跡、文化施設として整備 屏東県長が来訪呼び掛け」というオンライン記事を公開した。

 台湾南部にある屏東県(へいとうけん)が、日本統治時代の旧陸軍宿舎群の遺構を整備した文化施設「勝利星村創意生活園区」で、ランタンフェスティバルを開催するという。屏東県の県長は「歴史の痕跡を残しながら芸術作品と融合させ、全国で類を見ないスポットを作り上げた」とSNSに投稿し、来訪を呼び掛けた。

 フォーカス台湾が記事と共に掲載した写真を見ると、レンガ造りの建物内に素敵な装飾が施されており、今流行りの“映え”るスポットとなっていた。コロナ禍でなければ訪問したいくらいだ。

 この建物は旧日本陸軍関係者のために建設された宿舎で、文化施設内には国軍関係者の住宅と合わせて69棟もの建物が残されている。国防部から屏東県に管理者が移されてからは、歴史建築として登録(2007年)もされた。

 日本による台湾統治は1895年から1945年までで、1927年に陸軍飛行第八連隊が屏東県に駐屯した。

 文化施設に残された建物は今から約100年も前の建物のため、保存状態が悪い部分も多く、同県は完全修復を断念して遺構を活用した公園を整備した。一部区間は現在も整備中だが、今夏前には全面開放される予定だ。

 かつての台湾でも、韓国同様に反日教育が行われていた時期があった。もっとも、台湾の場合は2021年に逝去した李登輝総統がその反日教育を止めさせ、自国民に正しい歴史教育を徹底させたことから今の日台関係がある。

 李登輝総統の教えが現代にも受け継がれているからこそ、台湾では日本統治時代の歴史的建造物が今でも残されているのだ。台湾という国が反日感情にまみれた国家であれば、これら建造物は“日本帝国主義の残滓(日帝残滓)”として真っ先に取り壊されていたに違いない。

 一方、韓国は世界でも一二を争う反日国家だ。幼い頃から反日教育が徹底され、“日帝残滓”は排除すべきだと考える国民が大部分である。