製造業、存続の危機
朝鮮日報が、昨年来韓国製造業の苦境を報じている。それを取りまとめると以下のような現状である。
国策シンクタンク産業研究院によれば、商品の販売などによる収益で利払いもできない上場製造業者の割合が昨年7-9月に39.1%に達し、IMF危機当時を上回ったという。製造業の40%は企業の売り上げの両軸である内需と輸出のいずれかが減少している。これは企業の成長潜在力が損なわれ始めたシグナルだ。
製造業の就業者も5年前と比べて約18万人減少したという。これはサムスン電子と現代自動車の国内社員を足した合計とほぼ同じである。反面、韓国企業の海外法人の現地雇用は42.6万人(29.4%)増加している。いかに国内の事業環境が悪化しているかを示しているのだろう。
ちなみに韓国の半導体をはじめとする6大主力製造業の営業利益率は5.4%であり、世界2000大企業(9.4%)の半分である。
こうした中、不健全企業を政府支援で延命しているケースが増えているという。これは一時的な失業対策にはなっても、経営環境を改善させる抜本的な対策にはならない。むしろ経済の非効率性をいつまでも温存することになる。こうした状況に、国外での事業に重心を移す企業が増えている。
文在寅世間の経済政策は企業フレンドリーとは言えない。企業に圧力をかけ、労働者寄りの政策を続ける限り、韓国製造業の国内脱出は続くだろう。