バイデン大統領:侵攻はいつでも起こりうる
ロシア軍の国境付近への部隊結集で緊張が続くウクライナ情勢をめぐり、軍事侵攻への懸念が深まっている。
ジョー・バイデン米大統領は「(ロシア軍の)軍事行動はいつでも起こりうる。ロシアの侵攻は、第2次大戦以降最大の侵攻になる。世界中に重大な影響を及ぼす」と警告した。
米政府は1月26日、ウクライナ侵攻をしない前提として、ロシアが要求していた北大西洋条約機構(NATO)不拡大提案を拒絶する書簡をロシア政府に突きつけた。
米ロの協議は続けられるが、一触即発の緊張状態が続いている。バイデン大統領はどう出るのか。
NATO加盟国など欧州への米軍増派を考えているが、ウクライナに直接軍事介入する気はない。
非軍事面ではどうか。
米政府高官は1月25日、ロシアが侵攻に踏み切った場合、同盟・友好国と協調し、広範囲にわたる対ロ輸出規制で対抗すると警告。次のような点を明らかにした。
一、ロシアがエネルギー供給を制限する事態に備え、各国政府や企業と協議を進め、欧州向けエネルギーの安定供給策を検討している。
二、(ロシア金融機関とのドル取引停止という)金融制裁と対ロ輸出規制は制裁パッケージの柱となりうる。
三、ロシア軍の侵攻に対しては、最も厳しい措置から始める。輸出規制では人工知能(AI)や量子コンピューター、防衛、航空宇宙など、プーチン氏が重視する産業に関連した先端技術や部品について米国との取引を禁止する。
四、ロシアが欧州向けエネルギーを制限することを想定し、北アフリカや中東、アジアなどでロシア産ではない天然ガスの追加供給量を精査している。
五、米政府が検討中の欧州向け安定供給策により、天然ガスや原油の供給を武器にすれば、ロシア経済への影響も免れない。
(https://www.state.gov/briefings/department-press-briefing-january-25-2022/)