自身が所有するマイアミの超豪華コンドミニアムの庭を家族と共に散策するイバンカ氏(1月15日、写真:The Mega Agency/アフロ)

今は昔の「ファースト・ドーター」

「若きビジネスウーマン」「大統領補佐官」として若い女性の憧れの的だったイバンカ・トランプ氏(40)の足元に火が付いた。

 米下院特別委員会委員長とニューヨーク州司法長官が真相究明の名目で召喚状を突きつけたのだ。

「親の七光り」で、一度は世界の頂点に立ったイバンカ氏だが、今や「親の悪行」ゆえに足を引っ張られている。

 ドナルド・トランプ氏との結びつきは太く、強い。トランプ氏にとっては「この地球上で唯一耳を傾けるゼリグ*1」(トランプ前政権の高官)とすら言われてきた。

*1=ゼリグ(Zelig)とは、状況に順応できる日和見主義者。

 トランプ前政権では、夫のジャレッド・クシュナー氏(41、大統領上級顧問)と共にホワイトハウス入りした。

 大統領補佐官、新設の「経済イニシアチブ・起業促進部」(OEIE)の長として4年間、権力の中枢で縦横無尽の活躍をしてきた。こんな大統領の娘は過去にいない。

 外交面ではメラニア夫人を差し置いて「ファースト・ドーター」(大統領の娘)として国際舞台でも大活躍。トランプ氏の訪日の前には「露払い」役まで演じ、ちゃっかり自分のブランド商品を売り込んだりした。

 米中対立激化の今では考えられないことだが、訪米した中国の習近平国家主席夫妻を歓迎、娘たちに中国語の歌を歌わせたりした。まさに「ゼリグ」の面目躍如だった。

 それだけに敵も多かった。

 特に民主党は彼女を目の敵にしてきたようだ。