2021年12月21日、外国人に日本人と同じ条件で住民投票権を認める東京都武蔵野市の条例案が市議会で否決された。
採決では自民党や公明党の議員など14人が反対し、賛成した立憲民主党や共産党などの11人を上回った。
憲法は、地方公共団体(自治体)は法律の範囲内で条例を制定することができると規定している。
日本の法律には外国人が住民投票で投票をすることを禁止したり制限したりする規定はないから、条例で外国人の投票資格を認めることは違法ではない。
近年、日本で生活する外国人(在留外国人)の数が増加している。法務省によると、2002年末(174 万 6433 人)~2020年6月末(288万5904人)の約18年間で在留外国人数は100万人以上増加している。
また、日本社会の価値観が多様化する中で、今後ますます、条例で外国人の投票資格を認める自治体が増えることが予想される。
では、住民投票条例で外国人に投票資格を認めることには、どのような問題があるのだろうか。
今日、住民投票のテーマが安全保障政策などの国益にかかわる問題に及ぶことがある。
例えば、石垣市への陸上自衛隊の配備計画を巡り、陸上自衛隊の配備に反対する市民らは、署名を集めて住民投票を請求したが、市議会が否決した。
住民投票条例案が市議会で否決されたことを受け、「市住民投票を求める会」が市に住民投票の実施義務付けを求めた訴訟の控訴審判決で、福岡高裁那覇支部、は2021年3月23日、「市住民投票を求める会」側の控訴を棄却した。
万一、住民投票が実施され陸上自衛隊の配備に反対する結果が出たなら、投票結果に法的拘束力はないとしても、市当局は結果を尊重せざる得なくなるであろう。
その場合、石垣市に在住する外国人が、外国政府の教唆・扇動などによって、外国政府の利益になるよう陸上自衛隊の配備反対に投票したのであれば、それは、わが国の防衛に直結する深刻な事態である。
ちなみに、独裁国家からの在住外国人は、母国の政府機関からの勧誘に対して脆弱であるといわれる。
例えば、母国への愛国心・忠誠心、母国にいる家族の安全および帰国後の栄達願望などの弱点が挙げられる。