(立花 志音:在韓ライター)
先日の中央日報に「どうせ家は買えないからシャネルを買う」という記事が掲載された。値上げを発表したシャネル製品を購入するために12月15日、ソウルにある新世界百貨店本店前に早朝5時から列ができたことを取材する記事だった。
行列を作っていたのは20代、30代の若者世代だった。
韓国の若者が「エルシャ」と総称するエルメス、ルイ・ヴィトン、シャネルといった超高級ブランドは2021年に軒並み値上げした。日本と同様、韓国でもブランド物は中古でも高く売れる。転売ヤーも多く、偽物も多く出回っている。だから、「本物」はデパートや正規代理店で買うのが価格的にも品質的にも一番信用できると思われている。
もともと韓国人は見た目で勝負するため、お金があってもなくても大型自動車に乗りたがる。そしてブランド物を持ちたがる。
まず、車はベンツのEクラス以上が羨望の的だ。2021年1月から9月までの間だけでも、輸入車の販売数は20万4668台で前年比12%増加しているという。購入者のうち20代と30代が36%を占めるというから驚きだ。
輸入車だけでなく2021年はヒュンダイの高級車「ジェネシス」がモデルチェンジしたこともあり、高級新車の中でも大型車が例年より多く見られる。道行く車だけを見ると、かなりバブリーに見える。
テレビのホームショッピングでは、ナイキ、アディダス、プーマだと呼びかけて、ブランドロゴが目に付くデザインの商品を販売している。売り文句も機能性やデザインの良さをアピールするのではなく「有名ブランドものですよ!!」と韓国人の心に響くアピールの仕方をする。
どんなものかと見てみると、トレーニングウエアやTシャツと短パンのセットなのだが、大人用、子供用を問わず、あっという間に完売する。さすが韓国人は韓国人の心理をわかっているなと感心する。
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