国立競技場で行われた東京オリンピックの閉会式(2021年8月8日、写真:青木紘二/アフロスポーツ)

(北村 淳:軍事社会学者)

 終始日本国民を舐め切った態度をとり、日本国内で買弁的(外国資本に追随して自国の利益を損なう)勢力と反買弁勢力を分断するという西洋植民地主義の再来のような策略を展開したバッハ会長やコーツ副会長が率いるIOC(国際オリンピック委員会)は、新型コロナウイルス感染症の世界的流行の中で、東京五輪(東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会)を強行させることに成功した。もとよりIOCの利権確保のためである。

 日本国内はもとより欧米の少なからぬメディアからも、開催に対する反対論と疑義が唱えられていた。そのためバッハ会長をはじめとするIOC首脳といえども、さすがに開催は難航するであろうと感じていた。

 しかし、予定どおり東京五輪は開催された。IOCは大いに喜び、通常授与することになっている開催国五輪組織委員会会長だけでなく、日本国総理大臣と東京都知事にも、ゴールド・オリンピック・オーダー(五輪功労賞金賞)を贈呈することとなった。

 これにより、今回の東京五輪で五輪功労賞金賞を受賞したのは、安倍前首相(2020年に受賞)、橋本組織委員会長、菅首相、小池都知事の4名となった。このほか武藤敏郎・組織委員会事務総長には五輪功労賞銀賞が授与された。まさに日本は五輪でのメダルラッシュに加えて五輪功労賞ラッシュであった。