東京五輪・野球の3位決定戦でドミニカ共和国に10対6で敗れ肩を落とす韓国の金賢洙(キム・ヨンス)選手(左)、8月7日撮影(写真:AP/アフロ)

 今回の東京五輪で韓国の女子バレーボールと男子野球は同じように準決勝まで進出した。

 準決勝で相手チームに負けて銅メダル決定戦を控えていることも同じだった。

 しかし、バレーボールと野球に対する韓国の世論は正反対と言えるものだった。

メダル取っても兵役免除するな!

 野球代表チームに対しては、「たとえ銅メダルを取ったとしても軍隊に送るべきだ」という国民請願が出たほどである。

 国民請願とは、今まで何度もご紹介してきたように青瓦台(大統領府)への請願である。

 韓国では、五輪への意気込みがすごい。なぜなら、メダルを取ると生涯年金がもらえ、さらに男子の場合は兵役免除という特典が付くからだ。

 兵役特例法によると、五輪試合で銅メダル以上を取った選手たちは、4週間の基礎軍事訓練さえ履行すれば、兵役義務を終えたことにされる。

 今回、野球チームが銅メダルを取った場合、兵役を終えていない7人の選手が兵役免除となるはずだった。