メキシコ国境を訪問したカマラ・ハリス副大統領(6月25日、写真:AP/アフロ)

独立記念日までに接種率7割達成できず

 7月4日、独立記念日を迎えた米国。首都ワシントン市内はワクチンの接種が進み、本来の姿を取り戻しつつある。

 ジョー・バイデン大統領は、新型コロナウイルス感染症対策に従事する医療関係者など1000人余をホワイトハウスに招き、演説した。新型コロナの克服に自信を示した。

 最新の世論調査では10人に6人がコロナ対策を支持している。バイデン支持率は50%(不支持は42%)と4月以降変わっていない。

 バイデン政権は、独立記念日までにワクチンを1回以上接種した18歳以上の割合を70%にする目標を掲げてきたが、実際には67%にとどまっている。

 ドナルド・トランプ前大統領支持者たちのバイデン嫌いや副反応への懸念、注射を忌み嫌う風土が、接種率伸び悩みの要因になっている。

 その背景には、政府が上から目線で命ずることに激しく反発する「州の権利」や「個人の自由」を尊重する気風にありそうだ。

 理解できないのは、若年層が接種を躊躇していることだ。党派的な保守派若者は除いても、科学への信頼が篤い若者がなぜなのか。

 若年層(18歳から25歳)の25%は、今や体の一部に痛い痛いタトゥー(入れ墨)をしているのに、だ。

 フロリダ州に住む女子大生は筆者の質問にメールでこう答えてきた。

「コロナにかかるのは高齢者だと思い込んでいるのよ。ヤングはかからないという強がりもある。デートできない、セックスもできない。コロナ疲れの元凶はチャイナ、その次は米国政府。そのうっぷん晴らしかもしれない」

「タトゥーは別よ。別に注射するわけではないし。産んでくれたのは母親だけど、生まれた後自分の体にデザインできるのは自分だわ。強制的な注射とは違うわ」