歩きながら、ハマスのリーダーの一人と話した。
「ハマスはイスラム原理主義の過激派集団だとアメリカは言うが、そもそもそれはアメリカのいいかげんな学者やメディアが勝手に言い出したことだ。イスラム教徒に原理もクソもない。過激派呼ばわりされるのもおかしい。我々は単に奪われた土地を奪い返す為に戦っているだけだ」
と、そのリーダーは口に入った砂を吐き出すようなアラビヤ語で言った。
激しい雨の中、群衆の濡れた体から立ち昇る湯気であたりは霞んでいる。兵士の遺体を運ぶ葬列がずっと先まで続いていた。傍らで立ち往生した荷車のロバが“我関せず”というように尻尾をクルクル回している。
手榴弾をぶら下げた幼さ残る少年兵
もう一人、覆面をしたハマスの兵士に話を聞いた。
「戦士はシオニストに殺されたのではない。アッラーの御許へ旅立ったのだ。これはジハードだ。PLOの奴らは武器を取り上げられ丸裸にされた。我々は武器でパレスチナの女性や子供を守る。決してイスラエルには妥協しない。それがハマスだ」