停戦が成立しても憎しみの連鎖は容易に消えない

 あれから20年が過ぎても争いは続いている。というか、この紛争の終わりはどこまでいっても見えない。

 ハマスは自爆テロを止めても“過激派集団”と言われ続けた。イスラエルはその後、ガザ地区からの撤退と引き換えにガザ地区を完全封鎖したが、ハマスは停戦と戦闘再開を繰り返しながら、今もイスラエルに抵抗し続けている。

 今、パレスチナではハマス支持者が増加、もうすぐ実施される15年ぶりの選挙に関心が集まっているという。

 果たして国民はどういう選択をするのだろうか?

 それにしても、やはり実際に見て愕然としたのは、イスラエルとガザ地区の貧富の差だ。軍事力については、大人と赤ん坊のようなものだろう。

 どうしても弱き者に心は寄っていく。あまりにもガザ地区の人々の苦しみは、長く、深い。

 ガザ地区空爆のニュースを聞いて思い浮かんだのは、あの雨の降りしきるガザ地区で家を壊されて途方に暮れていた人々、「いいかげんにして、もう、うんざりよ!」と、叫んでいた人々の姿だ。彼らはまだ元気に暮らしているのだろうか。

 今回、停戦とはなったが、ガザ地区の平穏がいつまでも続くと楽観している人はそう多くはないはずだ。