自民党の二階俊博幹事長(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

(舛添 要一:国際政治学者)

 新型コロナウイルスの感染が全国で急拡大し、とくに大阪では医療崩壊状態となっている。政府の分科会の尾身茂会長は、やっと第4波の到来を認めたが、菅義偉首相は、4月14日の参議院本会議で「現時点で、全国的な大きなうねりとまではなっていないと考えている」と答弁している。

 この日の全国のコロナ感染者4312人であり、列島各地で感染が急拡大していることは確かであり、この答弁は適切ではない。因みに、翌15日には、4571人に増えている。答弁は、厚労官僚が書いたものであろうが、官邸の側近でチェックする機能が無ければ、このような無責任な言葉となってしまう。

 私が厚労大臣のときも、不適切な答弁案が用意されることがあったが、国会開会前に点検し、修正させたものである。たとえば、予算委員会は朝9時に始まるが、7時から役人を集めて、答弁案を逐一チェックしたものである。当時の民主党所属だった長妻昭議員などは直前に質問を持ってくるので、午後1時から委員会が再開する前の昼食時間に答弁案点検を行うことが日常茶飯事であった。

 最近の国会答弁を見ていると、政治家も官僚も質が劣化してしまったという感を強くする。

菅内閣の支持率、薄氷の上の「横ばい」

 しかし、そのような菅内閣の支持率は、微増か、横ばいである。

 共同通信世論調査(10〜12日)では、内閣支持率44.0(+1.9)%、不支持率36.1(-5.4)%、NHK世論調査(9〜11日)では、内閣支持率44(+4)%、不支持率38(+1)%、朝日新聞世論調査(10、11日)では、内閣支持率40(±0)%、不支持率39(±0)%である。