⑥冒頭でもふれたように、自分の気分や体力・体調に応じて、スロー走行から疾走まで、走りを調整できることである。

 以前近所に、機械人形のようにゆっくり自転車に乗っているおじいさんがいた。小柄で顔と体は赤銅色。夕方よく見かけたが、おなじ道を往復していたようである。最後は、自転車にしがみつくように乗っていた。おお、まだ頑張っているなと思ったが、かれは自転車に乗れるかどうかにこだわっていたように思われる。いつ頃からか、まったく見かけなくなったが、自転車は自分の限界、やめ時がわかるのである。

⑦数十キロ程度の遠方まなら、楽に行くことができる。その点では「歩き」よりも自由である。

 もちろんいいことばかりではない。当然自転車の脆さや弱点はある。まず風雨に圧倒的に弱い。風がなければ雨は少々降ってもいい。最悪は風である。

 冬は寒く、夏は暑い。しかし風雨といい寒暑といい、いってもしかたのないことである。

 それよりも、気を付けなければならないのは、自転車はバランスを崩すと倒れるということである。べつにママチャリごときで粋がっているのではないが、わたしのようにサドルを上げていると、止まるときにバランスを崩しがちである。わたしはこれまで公衆の面前で2回倒れたことがある。要注意。

いつか自転車に乗れなくなる日が

 いま乗っている自転車のタイヤがすり減って交換しなければならなくなったら、買い替えるつもりだ。一応次の目星はつけている。27インチの一文字ハンドル、3段変速ぐらいのものを買うことになるだろう。

 自転車の弱点に「上り坂がきつい」というのがあるが、電動アシストは買わない。まだ市内の橋などの坂は自力で克服できている。買い替えは今年の夏頃になりそうだが、ただ、いまの自転車がちょっとかわいそうだという気分もある。

 いずれにせよ、やがて自転車のサドルを下げざるをえない日がくるだろう。そのあとは、自転車に乗ることができなくなる日がくるだろう。自転車に乗ることができなくなる日は、わたしの体力の尽きる日か。本を読めなくなる日は、わたしの気力が尽きる日か。

 しかしそんなことを考えてもしかたがない。まだ当分は大丈夫そうである。