それがあるとき、どういうわけか、まったく外れなくなったのである。ばかに調子がいいのだ。それにNHK BSの番組「チャリダー★快汗!サイクルクリニック」で、ママチャリでもサドルを高くすると乗りやすくなると教えられた。

 そこでそのとおりに、サドルをハンドルの高さに6cmほど上げてみると、あきらかに乗りやすく快適になったのである。ペダルの踏み込みも強くなり、重さも軽減された。つまり以前にも増して、自転車に乗ることが楽しくなったのである。そのかわり、地面にはつま先がつくぐらいなので、止まるときは注意をしなければならない。

なにより、自由

 退職するとき、退職後は毎日自転車に乗れば健康のためにもよかろうし、減量にもなるのではないかと考えた。甘かった。全然そんな役に立たなかったのである。

 おそらくそうなるためには、ある程度の距離を長時間走るくらいの負荷をかけなければだめなのだろう。走るのは主に市内だけ、しかもおばあさんの自転車に抜かされるような、テレテレした走りでは、まったくなんの役にも立たないということがわかった。それで健康や減量といった虫のいい効果はあきらめたのだが、それでもなおわたしが自転車が好きな理由はいくつか挙げることができる。

①なにより、自由である。基本、どんな細い道でも悪路でも走れる。どこでも駐めことができる。また近所のコンビニから、その気になれば日本一周までできる。しまなみ海道踏破とか奥の細道踏破とかを夢想するが、いまのところ具体的な計画はない。

②外気を全身でじかに感じることができる。緩やかな長い坂を下るときの気持ちよさは、思わず「ヒャッホー」と叫びたくなるほどの(叫ばないが)、自転車でなければ味わえない快感である。この感覚はバイクでも無理。

③人間にちょうどいい速度である。訓練したプロは時速60kmを出すことができるが、素人にその必要はない。車のように、スピードを自分の力だと勘違いすることもない。

④それゆえ、事故を起こすことが少ない。起こしても軽傷。ただし死亡事故になることもありうるから、十分注意はしなければならない。

⑤金がかからない。購入費用だけで、車のような維持費がほぼ不要。

「やめ時」が自分でわかる

 とくに年寄り(65歳から75歳くらいまで。それ以上はわたしにとっては未知)にとって、自転車がいいのは次の点である。