そうした中、ホンダでは、EVを欧州に投入する場合、「スモールサイズでもホンダらしさを表現するEVを投入しよう」との発想になったという。つまり、欧州市場を強く意識して企画されたのが「ホンダe」であることを、ホンダは潔く認めているわけだ。

「ホンダe」の車体と電動駆動パーツに関する技術展示

 ホンダのEV開発、市場投入は世界各地で戦略が異なる。中国では北京モーターショーで「ホンダSUV e:コンセプト」を世界初公開し、欧州市場を起点に発案された「ホンダe」とは別の電動化戦略を打ち出している。また北米市場では、ゼネラル・モーターズ(GM)が主体となって開発した「アルティウム」バッテリーとEVプラットフォームをベースにホンダがデザインしたモデルを2023年夏に市場導入することを発表している。

 こうして世界市場を見わたした上で日本EV市場での「ホンダe」の商品性を見てみると、“都市部や都市部周辺に居住する、生活に余裕がある層に向けた、環境対策イメージするファッショナブルな商品”という立ち位置となる。そのため、日本での予定販売台数は年間1000台にとどまっている。8月末に都内で実施されたユーザー向けイベントでは、そうした方向性を肌感覚で理解できた。

マツダ初のEV「MX-30」、2021年1月に国内登場

 一方で、奇しくも駆動用バッテリーの容量が35.5kWhとホンダeと同値であるマツダ初のEV「MX-30」は、2019年10月に予約を開始し、2020年夏から欧州ディーラーへの配車が始まった。欧州では2020年10月時点で約5200台を受注している。

 日本ではEVバージョン発売に先立ち、マイルドハイブリッドを10月8日に発表し、販売を開始した。日本でのEVバージョンの登場は「2021年1月」(マツダの丸本明社長)としており、販売方法については通常の販売形式やリース販売など「各種方法を検討中」(マツダ関係者)という。

 丸本社長はMX-30マイルドハイブリッドモデルのオンライン発表会見で、マツダの電動車戦略について「『サスティナブルZoom Zoom宣言2030』(注:2017年に発表した経営戦略ビジョン)のなかで公表しているように、(化石燃料の掘削から輸送時、動力源としての利用時までの総括的なCO2削減を考慮する)ウェル・トゥ・ホイールの考え方で、世界各地域の社会状況などを踏まえて、(様々な電動技術を適材適所で展開する)マルチソリューション戦略を目指す」と説明した。