それで、大阪都構想実現の確率は?

 さて、ここまで言葉で示してきたが、応用ゲーム理論を使ったモデルで大阪都構想が住民投票で受け入れられる確率はどうなるだろうか。

 計算の中身で大きなものを見ると、(1)推進者、(2)反対者、(3)争点、(4)第三者の動き、(5)国の支援、の5つだ。それぞれを簡単に敷衍すると以下の通り。

 推進者は、異能の才と強力な推進力のあった橋下市長が前面に出なくなったが、新型コロナ対策で浮上した吉村知事と全体を支え続けてきた松井市長との連携は、パラメータとしては高得点を取れる状況にある。計算結果も70%の確率である。

 反対者は、ここには筆者の感覚と政治評論家から聞いた数字が入るが、日本には常に無条件に反政権という人達が2~3割はいるとのことなので、今回もそれを使っている。この存在は大きく、広く根も張っているようなので確率は50%だ。

 争点は予算の移管。これは説明がどんなに上手くても、「大阪市がなくなる」の一言で吹き消されるリスクがあるので、最後の最後まで愚直な説明をできるか、またそれを推進する自分たちへの信頼を勝ち取れるかにかかる。ここがなかなか上がらず、ここだけで見ると都構想が実現する確率は40%。

 第三者の動きだが、今回は前回の時のように学者が突然口を開くということがあまり起こっていない。学者を敵に回すと難しいのは、自分の主張を曲げないところがあるからだが、今回はあまり出ていない。一方、組織票を期待できる公明党を味方にしたことは大きい。確率は60%だ。 

 最後の国の動きだが、国際金融都市構想を出してくれたのは、菅首相の支援策かもしれない。ただ、大阪には中央への反発心があるほか、自民党大阪支部は反対派でもあるのでこの確率は55%だった。

大阪に平成バブルの頃の賑わいは戻るだろうか(写真:GYRO_PHOTOGRAPHY/イメージマート)

 さて、それぞれの感覚は読者の皆さんと合うだろうか。これを纏めて計算してみると、大阪都構想が受け入れられる確率は60±5%ポイントである。つまり、筆者の計算が正しければ、大阪都構想は誤差の動きが生じても承認される筈である。

 なお、これは得票数を予想するものではないので、ここだけは筆者の感覚を書いておくが、大阪都構想が承認される時の得票数は、僅差での勝利ではなく大勝になるような気がしている。