大阪都構想は2000億円の分捕り合戦?

 大阪都構想に反対する市民は、大阪市の財源が大阪府に取られることでサービスが低下するという印象を持っているようだ。実際、東京都でも、23区長の中には自分たちの財源を自分たちのために使うべく、政令指定都市に格上げしたいと思っている人もいるらしい。

 具体的には、2000億円の予算が大阪市から大阪府に移ることに伴う問題が指摘されている。

 この問題が分かりづらいのは、2000億円の予算が市から府に移管されることは明確でも、それに付随して市から府へ移る業務が市民の目には見えにくい点だろう。

 予算の決定権限は議会にあるので、市から府に予算が移管されれば、大阪市議会にとって相当の権限喪失になるのは間違いない。同時に、大阪市の職員や議員にとっては、今の給与水準は維持されるのか、大阪市としての権限はどうなるのか、今の自分の立場は失われないか、の3点が重要な行動原理となるが、大阪都構想は無駄の排除を標榜するので3点の保証はない。これが、反対派が知恵を絞って大阪都構想を潰したい理由である。言葉を変えれば、自分たちも住民であり、「住民の生活を破壊させない」という街頭演説になる。

 反対派の立場で言えば、予算が市から府に移管することによって生じる変化については、投票直前となった今でも、可能な限り手を尽くし、声を大にして説明することが重要だ。

 住民投票で勝つ確率を100点満点で考えれば、現段階での予算移管の問題は40点ほどに相当すると考えられる。予算の移管に伴う行政サービスの変化は市民に訴えやすい論点のため、反対派も「大阪市がなくなる」と分かりやすい言葉で街頭演説で訴えかけている。

 なお、第1回の住民投票の前に専門家の意見が数多く掲載されていたが、少なくとも現時点で公表されているものを読む限り、法制度的な問題や、行政執行上の問題など、学者が介入しなければならないことはあまりないと感じる。