カツオ・キハダ釣りの船団と夏の空

 私のカツオとの出会いは駿河湾沿岸でのボート釣り。

 偶然遭遇したカツオの群れを捉え、思いがけず異次元の強烈な引きと新鮮なカツオの食味を堪能しました。

 そんなカツオ釣りが毎年恒例のように相模湾沖で狙えることを知り、思いきって遊漁船でチャレンジ。

 すると、初戦でいきなり5キロクラスのカツオ3本と、8キロクラスのキメジ(キハダマグロの幼魚)を上げて強烈なビギナーズラックを経験しました。

 以来、季節に入って先行者の釣果を見ると、強烈な引きが恋しくなり、磁石のように相模湾に引き寄せられていきます。

 弾丸のように走るカツオが掛かって竿先が突き刺さるような瞬間。

 船下まで引き上げてハリスを手繰る時にも海中を不規則に走る魚体に翻弄されながらも、渾身の力を込めて引き寄せてタモ入れするまで気が抜けない緊張。

 そして1日の釣行で1、2回チャンスがあればラッキーなキハダマグロ。

 掛かった時には、ただひたすらに道糸が繰り出されるままになすすべもなく、竿を支えているだけが精一杯の異次元の引き。

 そしてキハダが止まるまでハリスが切れないことだけを祈る瞬間。

 渾身の力で引き上げてはまた走られるやり取りの末、ゆっくりと船下を横向きに回りながら上がってくる巨体の感動。

 それぞれお魚の引き味は違いますが、リールを巻く瞬間はまさに限界に挑む野生との格闘です。