多摩川河口・手長エビ釣りの風景(写真はすべて筆者)

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 梅雨の名残りは釣り人泣かせ。不安定な天候に海況、釣況・・そして時間の確保と、自然の都合と人間の都合を合わせて釣行するのもなかなか難しい時期。

 今回は、ちょっと時間を見つけて夏の川遊び。都会の足元の多摩川河口で風流に楽しめる手長エビ釣りをご紹介します。

古くから楽しまれている手長エビ釣り

 手長エビ釣りは古くから江戸前の釣りの一つとして楽しまれています。

 起源は定かではありませんが、いつごろから楽しまれていたのかと調べてみると、江戸時代の釣りに関する文献を紹介している「江戸釣術秘傳」(小田順著)の中に、文政年間(1818年~1830年)に書かれた「釣客傳」に見ることができます。

 釣れる時期、釣れる場所(浅草川など)や狙うポイントなどが紹介されています。

 もっとも興味のある道具の記述はありませんが、時期やポイントなどは今と同じでした。

 ハゼやキスならともかく、現代では簡単であっても、小さく繊細な道具を必要とする釣りが、約200年以上も前の江戸時代には楽しまれていたとは驚きです。

 あえて現代風に理解するとすれば、ちょっとした時間を見つけ、わずか堤防1本超えるだけで都会の足元とは思えない水辺の世界が広がる中で、今では簡単かつ安価な道具を使って、川面で豆粒のようなウキの動向に一喜一憂する。

 見方によれば極上の時間になります。