法律違反すれすれの「トランプ党」
166年の歴史を誇る米共和党は、ドナルド・トランプ大統領によって完全に「トランプ党」に変貌してしまった。
ドナルド・トランプ大統領は4日間にわたる共和党バーチャル党大会最終日8月26日、正式に共和党大統領候補に指名された。
異例ずくめの党大会だった。法律違反すれすれの党大会だった。
ノースカロライナ州シャーロットに党大会会場を設営し、演説者が演壇で喋るのをズームで流した。
しかし、大統領とメラニア夫人はホワイトハウスの南庭園に別個の会場を設けて、1500人の招待者を前に演説した。
現職大統領が特定政党のイベントにホワイトハウスを使うのは異例だった。
さらに行政府で働く正副大統領以外の政府職員は選挙でのいかなる政治活動も禁じたハッチ法という連邦法(1939年制定)がある(https://www.law.cornell.edu/uscode/text/5/7323)。
さらに今や超トランプ側近となっているマイク・ポンペオ国務長官は、外遊先のイスラエルのホテルから米国に向けて大統領支持演説を行った。
明らかにハッチ法に抵触する可能性がある。下院外交、歳出各委員会所属の民主党議員がその違法性を追求する構えを見ている。
独立連邦調査・検察機関の米国特別顧問局(OSC)*1が違法と判断すれば、一定期間の職務停止処分を受ける。
*1=公務員改革法、公益通報者保護法、ハッチ法、制服サービス雇用と再雇用権法の4つの連邦制定法に基づき違法行為を捜査、処罰する独立機関。
通常、大統領候補は指名された後、おもむろに現れて指名受諾演説をするのだが、トランプ氏は初日から飛び入りで現れ、演説というよりも長時間にわたり雑談を繰り返した。
これも異例だった。