韓国の少子化が止まらない。出生率はOECDの最低を更新した

 2020年8月26日、韓国の統計庁は2019年の「出生統計」を発表した。

 2019年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産む子供の数)が0.92だったことが分かった。2018年に初めて1を割り込んだが、その後もさらに減少した。

 この日発表になった2020年6月の速報値では、4~6月には0.84にまで落ち込んでしまった。

「このような人口構造の変化は潜在成長率の下落、扶養負担の増加など経済社会全体に深刻な影響を与える危険要因だ。国次元で総力を挙げて対応しなければならない。選択の問題ではなく必須だ」

 統計が出た翌日の経済対策会議で洪楠基(ホン・ナムギ=1960年生)経済副首相兼企画財政相はこう話して危機感を強調した。

出生者は30万人、1970年の3分の1以下

 それにしても韓国の少子化ペースは速い。

 2019年の出生数は30万2700人で前年比7.4%減だった。

 出生数は1970年には101万だった。人口が増え過ぎて抑制さえした。1987年に62万人になった。その後、90年代前半に70万人台に増え、その後はだらだらと減少していた。

 2000年代以降は急速な減少が続いている。2001年に60万人を、翌年の2002年に50万人を割り込んだ。2017年には40万人を割り込み、ついに30万人になった。

 ほぼ20年間で半減したことになる。

 2020年1~6月の速報値では、出生数はさらに前年同期比で9.9%減の14万2663人だった。