安倍晋三総理大臣が8月24日、第2次政権発足後の連続在職日数が歴代単独1位となった。
折しも、その安倍総理が8月中旬から数回にわたり、東京・信濃町の慶応大学病院で検査を受け、健康不安説が広がっている。
自民党内には新型コロナウイルス対応などで疲労が重なり、持病の潰瘍性大腸炎が悪化したとの見方が出ている。
すわ、ポスト安倍を巡る与党内議論が流動化している。
安倍氏が後継者として期待してきたとされる岸田文雄政調会長か。各種世論調査で人気の高い石破茂元幹事長か。
それとも継承順位2位の麻生太郎財務相兼副総理か。あるいは菅義偉官房長官の一時的なリリーフ登板か・・・。
米国は大統領選に向けての民主、共和両党の全国党大会たけなわ、ということもあり、米メディアは安倍総理の健康不安説まで気は回らない。
だが、米国務・国防両省や民間のジャパノロジストたちは安倍氏の「健康不安説」に強い関心を示している。
安倍氏の「無二の親友」ドナルド・トランプ大統領の耳にもこの情報は間違いなく入っているに違いない。
そうした中、アッと驚くようなタイトルの本が出る(発売日は11月1日)。『The Iconoclast: Shinzo Abe and the New Japan』。
「Iconoclast(アイコノクラスト)」とは、「聖像破壊者」。
8世紀から9世紀、中世ヨーロッパのカトリック教会で起こった聖人の画像礼拝慣習を打破しようとした人のことをいう。
そこから「因習打破を唱える人」を指す言葉になっている。安倍総理を「因習打破を唱える人」と大いに持ち上げた本である。
著者は、目下新進気鋭のジャパノロジストとして注目されているトバイアス・ハリス氏。
同氏は、政治戦略コンサルティングの「ティニオ・インテリジェンス」(本社ニューヨーク)の日本政治アナリスト。